Project/Area Number |
06730038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Economic history
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
谷本 雅之 東北大学, 経済学部, 助教授 (10197535)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 近代 / アジア交易圏 / 商人 / 綿製品 / 在来産業 / イギリス綿業 / 輸入綿系商 / 開港場 |
Research Abstract |
東アジアの商人活動の具体的分析対象として、幕末日本の開港後の綿製品流通に着目し、製品の国内需要地との間の流通過程を検討することで、開港期の日本の流通ネットワーク-少なくとも綿製品のそれ-は、開港の刺激と、内的な展開の相互作用によって、極めて動態的な展開を示していたことを明かにした。綿織物流通の局面では、新興問屋による流通掌握が進行し、並存する他の類型を排除しつつあった。綿糸流通については、それ自体、開港を期とした新たな流通ネットワークの創出の過程である。また、綿織物と綿糸では、流通過程を主導する主体に差異が存在し 、綿織物の場合、流通過程は新興問屋の地縁等の縁故関係をも内包する商人間関係によってになわれたのに対して、輸入綿糸の流通では、織物生産地域に活動の場をおく、在地の綿糸商が要の位置を占めていたことを指摘した。このような作業を通じて、近代アジアの開港場の性格を、流通過程における“プッシュ"機能と“プル"機能という新たな概念から考察することを提起し、近代アジアの動態化を検討する際の、分析視角を得ることができたと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
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