Research Abstract |
Hyper-Kahler多様体とは四元数の関係式を満たす三つの概複素構造I,J,Kを持つリーマン多様体で、それぞれについてKahler多様体になっているものである。compactな場合はK3曲面や4n次元のtourusなどが代表的な例となっている。noncompat hyper-Kahler多様体の興味深い例は江口-Hanson,Gibbons-Hawkingにより、重力理論との関連で発見された。これらはA型の四次元のhyper-Kahler多様体と呼ばれている。その後、Hitchin,KronheimerによってDynkin図式との関連が指摘され、A_k,D_k,E_6,E_7,E_8型の四次元hyper-Kahler多様体が全て構成された。(k=1,2,3,・・・) 筆者は、A_k型のkを無限にした場合に対するA_∞型hyper-Kahler多様体を論文"On hyper-Kahler manifolds of type A_∞"において構成した。更に筆者はこのA_∞型hyper-Kahler多様体がI_b型の楕円曲線のfibre空間の普遍被覆であることを示した。このI_b型の楕円曲線のfibre空間は代数幾何学において非常に重要な対象である。ゆえにこの結果は代数幾何とhyper-Kahler幾何との深い関連を予感させるものと考えられる。その後、筆者はLie群Sp(1)の部分Lie群としてmaximal torus S^1のnormalizeをとり、この群上の自乗可積分な関数全体に作用するoperatorsを用いて新たなhyper-Kahler多様体を構成した。このhyper-Kahler多様体はその構成からD_∞型hyper-Kahler多様体と呼ぶべきものである。実際にその二次元homology群のintersection formはD_∞型Cartan行列の-1倍に一致している。最近筆者はA_∞そしてD_∞型hyper-ahler多様体の様々な高次元化に成功している。また様々な無限次元hyper-Kahler多様体を構成している。
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