Research Abstract |
B型輝線星の主にバルマ-線に見られる輝線は,比較的低温で高密度の星周ガス円盤から発せられているとえられている.しかし,星周ガス円盤のできる原因については,中心星の高速自転,非動径振動,輻射圧,連系による質量交換などとの関連が議論されているが,いまだに明らかにはなっていない.このことは,中心星進化との関係についても同様である. 中心星の進化段階を観測的に知るためには,適当な散開星団においてB型輝線星と主系列の色および等級の係を調べればよい.しかし,中心星の本来の色や等級を見積るには,星周ガス円盤による吸収や放射などの影を取り除いてやらなければならない.星周円盤は一般に数年程度の時間尺度で消長を繰り返す.この変化を観すれば,星周円盤による影響を知ることができる. 本研究では,散開星団NGC663およびh&χPer中のB型輝線星を対象に,国立天文台岡山天体物理観測所よび堂平観測所で得られたデータを用い,その測光,偏光および分光学的性質を調べた.測光観測によると,くのB型輝線星が変化を示しており,星周ガス円盤の影響を示唆しているが,変化の時間尺度が長いため,そ全貌とそれによって得られる中心星の性質の解明にはなおしばらくの追跡観測が必要である.測光以外の観測ついても現在解析が進められつつあり,興味深い結果が得られ始めている. 今後の計画としては,追跡観測を続けるとともに,測光観測の結果と偏光観測の結果の物理的解釈について討を進める予定である.
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