超高エネルギーガンマ線点源からのバースト現象の探索
Project/Area Number |
06740230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
素粒子・核・宇宙線
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
日比野 欣也 神奈川大学, 工学部, 専任講師 (80260991)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ガンマ線バースト / ブラックホール / 宇宙線 |
Research Abstract |
「超高エネルギーガンマ線点源からのバースト現象の探索」は1979年度から観測を開始した‘‘チベット高原における超高エネルギー宇宙ガンマ線観測実験''によって蓄積されたデータを解析することにより行った。この実験は中国との共同でチベット自治区ヤンパーチン高原(標高4300m)に粒子線検出器65台を格子上に設置することによって、ガンマ線が大気中で引き起こす空気シャワー粒子群を捕らえて、10TeV以上のガンマ線の到来方向を高精度で決定できるように設計されている。到来方向の決定精度は約0.8度となり、このエネルギー領域では現在、世界で唯一の高精度実験である。 今回の解析は特にホーキングらによって予言された宇宙初期に形成された原始ブラックホール(以下、PBHとする)が寿命により自己消滅(蒸発)する時に放射するガンマ線バーストの探索を中心に行った。理論的には、5×10^<15>g程度の質量を持ったPBHが今現在蒸発している時期に相当し、そのバーストの規模は継続時間はパラメタとなるが、τ=64秒間とし最後の1秒間に77%のエネルギー放射があると仮定すれば、10TeV以上ガンマ線が約10^<27>個が放出されると予想される。 これまでに1990年6月から1992年9月までの期間のデータについてバースト解析を終えている。解析は1秒以内に半径1度以内の空間から連続して到来した事象をカウントすることによって行われた。現在までのところPBHからのバースト現象を捕らえた兆候はなく、太陽系近傍のPBHの存在数密度の上限値を与えることになった。その値は理論的予想に大きく依存するが上記のモデルを仮定すれば、99%信頼度で7.3×10^5pc^<-3>year^<-1>となり、現在までに宇宙線実験の結果の中で最も厳しい上限値を与えている。
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Report
(1 results)
Research Products
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