Project/Area Number |
06740241
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐野 陽之 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (80250843)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 電子トンネリング発光 / MOS構造 / 電子線リソグラフィー |
Research Abstract |
シリコンを基板とするMOS接合の電子トンネリング発光は発光強度が小さいため、その発光効率を増大させることが大きな課題となっている。MOS接合より3桁高い発光効率を示すSTM発光の研究から、MOS構造を微細化すると発光効率が増大することが示唆される。そこで、微細化及び2次元アレイに集積化したMOS接合を作製し、その電子トンネリング発光の効率が増大するかを確認する研究を行った。 超微細MOS構造は、電子線リソグラフィーを応用したシリコンプロセス技術を用いて作製を行った。ビーム電流、ド-ズ電荷量等の最適化をすることにより、1素子あたり直径0.5μmのトンネル接合を100×100個集積化したMOS接合を製作することができた。いくつかの予備実験より、トンネル障壁となる酸化膜の厚さや金属膜の厚さ等が発光効率に影響を与えることがわかった。そのため、比較実験のための従来型(1mmサイズ)のMOS接合を超微細MOSと全く同時のプロセスで作製した。 0.5μmサイズのMOSと1mmサイズのMOSに同じ電圧を印加し、放出する光の強度を光電子増倍管(感度領域300-850nm)による光子計数法によって測定した。その結果、両者の発光効率(単位時間当たりの光子数を電流値で割った値)は誤差の範囲で同じであった。 表面増強ラマン散乱に関する理論及び実験の研究より、発光源(電流源)近傍に金属微粒子が存在すると発光強度が増大する。この増大効果は可視光に対しては粒子サイズが0.1μm程度で顕著となる。従って、0.5μm-MOSで発光効率の増大が見られなかったのは構造の微細化が不十分なためと考えられる。今後の研究は、MOS構造をさらに、0.1μm程度まで微細化する方針である。
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