Project/Area Number |
06740246
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平井 宏 東京大学, 教養学部, 助手 (30251325)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | エッジ電流 / エッジ状態 / バルク電流 / ホール電場 / クーロンブロケイド / 量子ドット / 量子ホール効果 / 電流分布 |
Research Abstract |
エッジ状態の重要性を示す一連の研究が、過去数年の間にわたって多数発表された。しかしながら、電流はエッジ状態が担っているのかどうかについては未だに解決がつけられていない問題であった。正味の電流を流すためには、ホール電場を誘起するための電荷をエッジ状態につけ加えることが必要である。これは、電流はエッジ状態につけ加えた電荷によって運ばれる「エッジ電流」と、ホール電場に対する応答として流れる「バルク電流」によって形成されることを意味している。上述されたエッジ電流は、試料の端に近いところを流れる電流とは違う意味である。量子ホール効果状態における電流を運ぶメカニズムについての理解を深めるために、エッジ電流とバルク電流との比率を求めることは重要と考えられる。 我々は、エッジ状態につけ加えた電荷、及び、ホール電場によって誘起される分極電荷を考慮し、ホールポテンシャル分布をセルフコンシステントに決定した。また、その結果を使って、エッジ電流の全電流に占める割合を決定した。この計算手法は、ホールバ-型試料について行なったが、計算手法は、クーロンブロケイド振動の観測される量子ドットなども含めた任意の系について適応可能である。 計算によれば、ホールポテンシャルは試料端にて急激に変化し、電流は試料端に偏って流れることが示される。また、閉じこめポテンシャルを緩やかな放物線型と仮定すると、エッジ電流の全電流に占める割合は数%である。大部分の電流は、ホール電場に対する応答として流れていることがわかった。
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