Project/Area Number |
06740270
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 雅恒 東北大学, 工学部, 助手 (50211850)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 高温超伝導 / 銅酸化物 / 過剰酸素 / 結晶構造 / 超伝導転移温度 |
Research Abstract |
次に示す2つの高温酸化物超伝導体において、従来、主であった元素置換によるのではなく、過剰酸素量を広範囲に変えることにより、キャリア数を制御し、結晶構造と超伝導の関係を調べた。 1.La_<2-x>Bi_xCuO_<4+δ>:La_2CuO_<4+δ>における低温での相分離を抑制した系La_<195>Bi_<0.05>CuO_<4+δ>において、KMnO_4酸化により過剰酸素を導入し、低温X線回折、交流磁化率の測定を行った。δは、KMnO_4濃度を系統的に変えた水溶液に粉末試料を入れ、60℃で48時間攪拌することにより制御した。その結果、δの最大値は高酸素アニールした試料に比べ、約2倍の0.14まで増加し、高ホール濃度の試料作製に成功した。結晶構造はδの増加とともに斜方晶I(Bmab)から正方晶(14/mmm)になり、さらにδ>0.08では一部に斜方晶II(Fmmm)が出現することがわかった。超伝導転移温度Tcはδの増加とともに上昇し、約35Kで飽和する。そして、斜方晶I相と正方晶相のいずれでも超伝導は出現することがわかった。しかし、正方晶相と斜方晶II相の混相領域では、超伝導体積分率に若干の減少がみられ、斜方晶II相はキャリアのオーバードープのため、超伝導を示していない可能性もある。 2.(Pb_2Cu)Sr_<0.9>La_<1.1>CuO_<6+δ>:錯体重合法により合成した良質の試料を、種々の酸素分圧、温度でアニールすることによりδを制御し、粉末X線回折、化学滴定、電気抵抗率、熱起電力、交流磁化率を測定した。その結果0≦δ<0.3-0.4では、斜方晶で、過剰酸素はCu0_2面にもホールを供給し、Tcは約35Kまで上昇する。そして、0.3-0.4<δ<2では、過剰酸素はブロック層にホールを供給し、Pbの価数が増加し、Pb^<2+>→Pb^<4+>の価数変化にともない超伝導を示す斜方晶相の体積分率が減少し、Cu0_2面にホールが少ないために非超伝導である正方晶相の体積分率が増大し、Tcは減少することがわかった。
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