2次元電子を用いたヘリウム3-ヘリウム4混合液表面・界面の研究
Project/Area Number |
06740276
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
白濱 圭也 東京大学, 物性研究所, 助手 (70251486)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ヘリウム / 2次元電子系 / ウィグナー結晶 / スライディング / ヘリウム34混合液 / 表面・界面 |
Research Abstract |
本研究のテーマは、ヘリウム3・4混合液表面・界面で期待される種々の新しい現象について、束縛2次元電子をプローブとして用いて実験を行うというものであった。この研究に先立って行われた純粋ヘリウム4表面上電子の交流伝導度測定で、我々はウィグナー結晶状態の伝導度がある電場で突然ジャンプするという新しい現象を見出した。そこで、科研費交付期間中は申請時の計画を変更し、研究の主眼をこの現象の機構を解明することに置いて実験を行ってきた。 その結果次のことを明らかにした。伝導度ジャンプは電場の上げ下げに対してヒステリシスを持ち、ジャンプが起こる電場(しきい電場)は、磁場、周波数、電子密度、電子を液面に保持するために印加した静電場、のそれぞれに対し特徴的なベキ依存性を持つ。さらにこれらの実験結果の理論的考察を同時に行った。伝導度のジャンプは、格子点に局在した電子の下にできる液面のへこみがつくる周期的ポテンシャルが、交流電場によって傾き、ポテンシャル極小の消失したとき電子結晶が集団的にスライディングを起こしていると解釈し、実験結果を説明することができた。 このスライディングの機構を短い時間スケールで調べることを目的として、入力にパルス電場を用いた実験を行った。スライディングはパルス電場の時間変化率がある閾値を越えると起こることがわかった。また応答波形に数十kHzの振動成分を見出した。この振動は結晶に特有な横波の存在に起因するモードと考えられ、電子系が格子を組んだままスライドしていることを直接示すものである。現在この実験をさらに進めている。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)