Project/Area Number |
06740280
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
矢野 英雄 東京大学, 教養学部, 助手 (70231652)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 2次元 / 超流動 / ヘリウム / Kosterlitz-Thouless転移 / 渦 |
Research Abstract |
我々は、吸着基盤として固体水素とポリエステルフィルムを用い、振動基盤上の^4He薄膜の超流動密度の温度変化を測定した。測定装置には、異なる共鳴周波数(530Hz、2009Hz)の2つのねじれ振り子を用いた。水素基盤としてポリエステルフィルムに吸着させた5層ないし20層の固体水素を用いた。超流動onset温度は、どちらの基盤とも周波数の高い方が高い。また相転移に伴う振り子の吸収のピークの温度T_<peek>も同様である。2つの周波数のT_<peek>の差ΔT_<peek>は、例えば水素基盤の場合、超流動onset温度が1.2Kの時で3mKである。膜厚を厚くすると超流動onset温度は高くなる。膜厚を変化させたときのΔT_<peek>をT_<peek>の関数として、2種類の基盤について比較した。T_<peek>が1.2Kの時はどちらの基盤もΔT_<peek>=3mKで一致するが、0.95Kではポリエステル基盤のΔT_<peek>が7mKに対し水素基盤が3mKで、ポリエステル基盤の方が大きい。Ambegaokarらのdynamic Kosterlitz-Thouless transition theoryによれば、ΔT_<peek>/T_<peek>はD/r_0^2の関数として現され、D/r_0^2が大きいほどΔT_<peek>/T_<peek>は小さい。ここで、Dは2次元超流動渦の拡散係数、r_0は渦芯の半径で、Dは基盤のポテンシャルの空間変化に、r_0は膜厚に依存すると考えられる。またT_<peek>は膜厚に依存し、T_<peek>の等しい^4He薄膜は基盤によらず同じ膜厚と考えられる。これらのことから、我々の0.95Kの結果は、水素基盤上^4He薄膜の超流動渦の拡散係数が、ポリエステル基盤に比べて大きいことを示唆している。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)