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金属中の水素拡散の量子動力学

Research Project

Project/Area Number 06740286
Research Category

Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)

Allocation TypeSingle-year Grants
Research Field 固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

金子 豊  京都大学, 工学部, 助手 (00169583)

Project Period (FY) 1994
Project Status Completed (Fiscal Year 1994)
Budget Amount *help
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1994: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Keywords金属 / 水素 / 量子拡散
Research Abstract

本研究では、金属中に吸蔵された水素の拡散機構を、古典拡散と量子拡散のクロスオーバー、及び水素吸蔵により生じる金属格子の歪みの影響という2つの観点から、計算機シミュレーションにより解析した。金属原子は古典的に、水素原子は量子論的に扱うモデルを仮定し、Miller-Schwartz-Trompの相関関数理論を用いて、ジャンプレイトの計算を行なった。その際、金属格子の熱的揺らぎ、歪みの影響はモンテカルロ法により取り入れた。BCC金属、FCC金属中での水素の振舞いの違いを調べるために、ポテンシャルパラメータの値をサイト間距離、ポテンシャルバリアの高さ等がNbH_χ(BCC)、及びPdHx(FCC)に対応するように選び、両者を比較した。それにより、以下の結果が得られた。
1.ジャンプレイトの温度変化を見ると、NbH_χは250Kより高温ではアレニウス則に従うが、それより低温側では量子効果が現れ、アレニウス則からのずれが顕著に見られた。これは200Kあたりで古典的な熱活性化過程から量子的なトンネル過程へのクロスオーバーが起ることを示すものと考えられる。一方、PdHxの方は計算を行なったすべての温度領域でアレニウス則に従っており、量子効果は現れにくいことがわかった。
2.NbH_χは格子の熱的揺らぎ、歪みの影響を入れた場合にジャンプレイトが小さくなった。これは、歪みによる水素のトラッピングによるものと考えられる。これに対してPdH_χの方は揺らぎのジャンプレイトへの影響はほとんど見られなかった。これは、FCC構造の8面体サイトが比較的広い領域であるために、水素と格子の相互作用がBCC構造ほど強くはないことによるものと思われる。
これらの結果は、中性子散乱による実験結果と良く一致している。

Report

(1 results)
  • 1994 Annual Research Report

URL: 

Published: 1994-04-01   Modified: 2020-05-15  

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