Project/Area Number |
06740298
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
住山 昭彦 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (30226609)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | SNS素子 / 超伝導近接効果 / ジョセフソン効果 / 温度計 / クリーン極限 |
Research Abstract |
本研究の目的である極低温用の温度計の試作のため、超伝導体(S)としてNb、常伝導体N)としてCu,Auを採用してSNS素子を作成し、そのジョセフソン効果について研究した。まず、Cuを挟んだSNS素子については、交付された科研費で購入した卓上圧延機を用いてCuフォイルを作成し、その両面にNbをスパッタ成膜することで作成した。圧延機の使用によりCuの厚みが異なる様々な特性の素子の製作が容易となり、また素子の大きさも5mm角と小型で熱容量も小さく、素子をより現実的な形状にすることが出来た。例えばCuの厚みが20μmの試料では1Kから0.1Kの間でジョセフソン臨界電流Jcは4桁程度変化し、非常に敏感に温度変化を検知できることがわかった。また、室温とのヒートサイクルでもほとんどJcは変化せず、素子の安定性が確認できた。Jcの温度依存性については、Cu中の電子の平均自由行程l_Nが比較的長かったので、クリーン極限(l_N>ξ_N:ξ_Nは常伝導体中のコヒーレンス長)で期待されるexp(-AT)に比例したかたちに近いものになった。一般的にl_Nの長いクリーンな系を作るのは困難な反面、クリーン極限では素子の特性はl_Nに依らず、従って素子間の特性のばらつきが減る長所がある。そこで、次に、より長いl_Nの試料が得られやすいAuを挟んだSNS素子の研究を行った。素子はAuクラッドNb線の回りにNbをスパッタ成膜して作成した。Auの厚みは110μmと厚かったがジョセフソン電流が観察され、クリーン極限のexp(-AT)依存性も確認できた。この結果はクリーン極限における近接効果に関する論文の一部としてJ.Phys.Soc.Jpn.に投稿中である。今後はAuを用いたクリーン極限の素子について、より現実的な形状の温度計の試作を行う予定である。
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