Project/Area Number |
06740317
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物性一般(含基礎論)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 伸泰 東京大学, 工学部, 講師 (70211745)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 格子スピン系 / 動的臨界現象 / 非平衡緩和 / ユニバーサリティ / ポッツモデル / スピングラス / モンテカルロシミュレーション |
Research Abstract |
本研究代表者らによるこれまでの研究の結果、非平衡緩和現象の解析は平衡統計力学的な大自由度系の動的振舞いを研究する手法として注目すべきものであることが明かとなっていた。この方法は、強磁性イジングモデルに対して非常に有効であった。本研究ではこの方法の、様々な格子スピン系の動的振舞いへの応用を試みた。その結果得られた主な結果は下記の2つである。 ・2次元ポッツモデルによる動的臨界現象の普遍性について:非平衡臨界緩和の解析により、3状態および4状態2次元ポッツモデルのグラウバ-型ダイナミクスの動的臨界指数zを評価した。その結果は、研究代表者によって得られていた2状態(イジング)モデルについての結果と併せて、以下のようになった: この結果から、動的臨界現象のいわゆる弱普遍性(weak universality)は成立していないことが推定される。 ・3次元±Jイジングスピングラスモデルの非平衡緩和について:このモデルについては、2つのレプリカの重なりの非平衡緩和を調べた。しかし、羃関数型の非平衡臨界緩和は明らかとはならなかった。これはスピングラスモデルの動的な振舞いの特徴として新しい知見と言えよう。その原因として、(1)緩和の指数が小さく今回の試行では捉えられなかった、あるいは(2)複雑な緩和モードが重複しており最も長い羃関数の振舞いが隠れてしまった、の2つが考えられる。現在も注意深い解析を続けている。 この2つの結果については現在、投稿論文、国際会議での発表を準備している。他に剛体球系ほかの粒子系の非平衡緩和の様子についても観察した。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)