高分子系における高圧下での固液相転移の異常な振る舞い
Project/Area Number |
06740319
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物性一般(含基礎論)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
戸田 昭彦 広島大学, 総合科学部, 助教授 (70201655)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 高圧 / 固液転移 / 高分子 |
Research Abstract |
今回の研究では、高分子系における高圧下での固液相転移の異常性の解明が主目的であった。高分子試料としては、Poly(4-methyl-penten-1)(P4MP1)を用いた。 P4MP1の結晶は、室温で加圧されることにより、非晶へと転移する。この結果は、融点の圧力依存性に極大が存在することを意味しており、実際、X線回折の結果からその存在が確実視されていた。そこで、本研究では熱的測定(示差熱分析(高圧DTA))により、結晶の融点の圧力依存性を実験的に得た。また、X線回折により、その構造相転移の詳細について検討を加えた。 高圧DTAの実験には、ハンドスクリュー型の高圧ポンプを用い、DTAセルは自作し、今回購入した恒温器で温度制御した。X線回折の実験は、ダイアモンドアンビルセルによって加圧し、回折像はイメージングプレート(IP)に露出した。IPのデータの保存・出力には、今回購入した光磁気ディスクおよびプリンタを用いた。試料は、100℃で延伸した後、200℃で熱処理して結晶性の高い一軸配向試料とした。 高圧DTA実験の結果、約1.5kbで融点の圧力依存性に極大があることが確認された。この結果は、極大点以上の圧力で非晶の密度が結晶よりも大きいことを意味している。このような融点の極大が高分子系で見つかったのは、今回の系が最初である。15EA05:高圧でのX線回折では、ブラッグ反射の強度が圧力と共に減少した。ブラッグ反射の幅は変化せず、この構造変化は第一種の乱れによるものと結論された。また、赤道反射の強度の減少が子午線反射に比べて大きく、分子鎖がヘリックス構造を保ちながら分子鎖間のパッキングが乱れていくという、非常に希な乱れ方であることが見出された。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)