Project/Area Number |
06740337
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理学一般
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
新田 英雄 東京学芸大学, 教育学部(第三部), 助手 (50198529)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | パラメトリックX線 / コヒーレント放射 / 相対論的粒子 / 結晶 / PXR |
Research Abstract |
パラメトリックX線放射の基本的なメカニズムは、本研究者の量子力学によるミクロスコピックな理論により明確に理解されるようになった。しかしながら、実験結果の定量的説明には、成功していなかった。その主な理由として、今まで使われてきたFeranchuk-Ivashinによる、結晶内における入射電子の多重散乱理論が、誤りであるらしいことが、実験的に、最近、明らかにされた。そこで、チャネリング理論などで知られる拡散近似を用いて、パラメトリックX線放射における多重散乱の理論を築いた。この理論に基づき、数値計算を行ったところ、実験結果とよい一致が得られた。この結果は、来年度の、「第16回固体内原子衝突国際会議」(オーストリア)で、発表する予定である。 また、吸収端付近でのパラメトリックX線放射の理論を、RPAに基づいて築いた。その結果、従来の理論より実験値に近い結果が得られたが、未だ定量的一致には至っていない。上述の新しい多重散乱理論を取り入れて、更に理論を発展させていく必要がある。 さらに、動力学的効果を取り入れたパラメトリックX線の理論を新たに作り、運動学的な理論と明確に比べられる、解析的な表式を得た。その結果、動力学的効果は、定量的にも無視できるぐらいの影響(絶対値で数%以下)しかないことが明らかとなった。この結果は、1994年秋の日本物理学会(静岡大学)で発表した。なお、数値計算には、本年度の科研費で購入したパーソナル・コンピュータを用いた。
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