Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は,液体-気体界面上に展開した直鎖高分子を擬2次元高分子系とみなして,準弾性光散乱分光法により,その動的振舞いを明らかにすることである.今年度の主なテーマは,実験装置の構築である. 1.高分子鎖展開用の水槽及び光学系の試作・改良 LB膜作製用の水槽をヒントに,高分子を水面上に展開するための水槽を設計・試作した.また,光散乱をその場観測するためには,光学窓を備えた水槽が必要となる.このため,現有の水槽の改造を行った.光散乱の角度依存性の測定にはゴニオメータを用いる予定であったが,水面からの散乱光を低散乱角から効率よく測定する配置を設定するのは困難であった.したがって,現状では散乱角を固定して測定を行っている.現在,光学系の配置を改良するため,光ファイバを導入したシステムに変更している途上である. 2.高分子溶液の準弾性光散乱の測定(予備実験) 本研究では準弾性散乱光分光法として,光電子増倍管による時間分解光子計数法とパソコンによるスペクトル解析を組み合わせて用いた.従来の光子相関器に比べ,多様なデータ解析が可能となるからである.このため,時間分解光子計数が可能な光子計数器(SRS社SR400)を科学研究費で購入した.データ処理のためのソフトウェア開発を行い,現在,高分子溶液及びポリスチレンラテックスを標準試料として,参照データの集積を行っている.水面上高分子の光散乱は,散乱強度が微弱なため測定は非常に困難であるが,ポリスチレン等の比較的大きな構造をとるものについては,表面圧と散乱強度の間に相関を見いだすことができた.PMMAなど展開性の良い分子についても,測定系の効率を上げることで準弾性光散乱分光が可能となると思われる.
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