Project/Area Number |
06740364
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Meteorology/Physical oceanography/Hydrology
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大島 慶一郎 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (30185251)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 海氷融解 / 海氷モデル / 定着氷 / 熱伝導方程式 / 南極海 / 海氷密接度 / 流氷域 / 短波放射 |
Research Abstract |
南極昭和基地周辺の定着氷における海氷・海洋・気象データによる解析から、南極定着氷における海氷の融解は底面融解と内部融解による部分が大きく、表面融解は小さいことが示された。これは表面融解が卓越する北極とは著しく異なる結果である。底面融解は、海洋上層からの熱の他に、海氷下面に生育するアイスアルジ(珪藻)が日射を強く吸収することによる効果が非常に重要であることが示唆された。一方、内部融解は海氷上の積雪量に依存するとともに、海氷の性質の非一様性が重要な要因であることが示された。現在、一次元の熱伝導方程式を用いて海氷融解モデルを作成している。境界条件を単純化し、日射等の外力項を固有関数で展開することによって解析解を求めることができた。この解析解でも内部融解・底面融解が南極定着氷域で卓越することが示される。今後はより一般的な場合について、数値計算によって調べる予定である。 流氷域での海氷融解機構を調べる目的で、「しらせ」での南極往路において取得された、連続ビデオ観測による海氷密接度・氷板の大きさ・氷厚のデータと表層水温塩分連続観測・XBTデータを解析した。これらの解析結果によると、南極の沿岸より100Km以上離れている外洋域では第0近似的には海氷融解はローカルなバランスで決まるのに対して、沿岸に近い海域では水平移流の効果が大きいことがわかった。これらの結果に基づいて簡単な流氷域における海氷融解モデルを提出した。モデルでは、まず日射により海面に熱が入りそのうちの何割かが海氷融解に使われる、という定式化をしている。海面に入る熱が側面融解と底面融解に使われる割合を海氷密接度と海氷板の大きさの関数として表すと観測結果をある程度説明しえることがわかった。
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