Project/Area Number |
06740374
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Meteorology/Physical oceanography/Hydrology
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
篠田 雅人 東京都立大学, 理学部, 助教授 (30211957)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 干ばつ / 砂漠化 / アフリカ / 海水面温度 / サヘル |
Research Abstract |
本研究では、熱帯アフリカの干ばつにおいて、海水面温度の自然的変動と地表面被覆の人為的変化(砂漠化)がそれぞれどの程度関与しているかを調べた。 アフリカにおける19世紀後半から1993年まで月降水量データを幾つかの気象関連機関から入手し、一つのデータセットへと編集した。この最新のデータを用いて、サハラ砂漠南縁地帯のサヘルにおれね1980年代後半の降水量の回復が、熱帯の降水帯の位置と対流活動の強さがどちらも平年並に戻ったことに起因することを明らかにした(Shinoda,1955a,b)。 イギリス気象局から入手した全球海水面温度データに回転経験的直交関数解析を施すことで、海盆スケールの海水面温度の変動モードを抽出し(Shinoda and Kawamura,1994a,b)、この上位3モードと熱帯降水との相関解析を行った(Shinoda,1995d)。その結果、両者の関係には顕著な地域性と季節性が認められた。ENSO現象と関連した第1モードは全球的に南半球夏の降水と、インド洋に偏差中心をもつ第2モードと大西洋に偏差中心をもつ第3モードはそれぞれ北アフリカ、環大西洋における北半球夏の降水と相関が強い。 海水面温度の上位3モードを説明変数とし、アフリカ各地域の降水量を目的変数とする重回帰分析を行った。北半球夏のサヘルの降水はその総分散のおよそ55%が海水面温度によって説明される。その残差項の時系列をみると、湿潤期の1950年代から乾燥期の1980年代へと減少する傾向が見られた。したがって、この残差には、大気-陸面相互作用による正のフィードバックで降水減少と砂漠化が同時進行するという効果が含まれる可能性がある。この残差項と衛星NOAAの植生指標の年々変化における関係は現在調査中である。 北アフリカの夏の降水以外について、統計的に有意な重回帰式が得られたのは、赤道コンゴ川流域の北・南半球夏の降水のみであった。また、残差項に有意な自己相関も他地域では認められなかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)