Project/Area Number |
06740379
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Meteorology/Physical oceanography/Hydrology
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
町田 敏暢 国立環境研究所, 地球環境研究グループ, 研究員 (20260185)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 一酸化炭素 / 氷床コア / 産業革命以前 |
Research Abstract |
1.産業革命以前の大気中一酸化炭素濃度を測定するために、サンプル容器に銅と真鍮を用いた極域氷床コアからの空気抽出装置の改良を行った。分析精度を検討した結果は以下の通りである。 (1)サンプル容器に濃度既知の標準ガスを充填し、1日以上経過した時の濃度ドリフトを観察した結果、容器製作直後は66〜80ppbvの一酸化炭素濃度の増加が見られたが、テストを繰り返した後には濃度増加が4〜29ppbvにまで減少した。これは容器内壁に吸着していた微量の有機物が酸化によって除去されたためと考えられる。また、同様な方法で従来氷床コア分析で使用されてきたステンレス製のサンプル容器を試験したところ、62〜115ppbvの濃度増加を示し、一酸化炭素の分析には銅製のサンプル容器が適していることが確認された。 (2)空気抽出装置全体の総合検定を行うために、液体ヘリウムを使用して標準ガスの転送テストを行った結果、69〜93ppbvの一酸化炭素の増加がみられた。これは、短時間ではあるが、標準ガスが空気抽出装置の配管に使用しているステンレスに接触した影響であると考えられる。 2.上記の空気抽出装置を用いて、南極みずほ基地で掘削された氷床コアのうち、深度301.15〜301.22mの試料を分析した結果、一酸化炭素濃度は219ppbvであった。この値は、空気転送によるドリフト量を差し引いても現在の南半球の濃度に比べて高い。同時に分析されたメタン濃度は723ppbvであったので、空気抽出時の配管のリ-クはなかったと思われる。従って、一酸化炭素の濃度が高い原因は、みずほコアに見られるクラックに含まれる空気による汚染や、サンプル量が少ないことによるドリフト量の増加などが考えられる。今後はクラックの無いコアを用いた、ステンレスを使用しない空気抽出装置での分析が望まれる。
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