Research Abstract |
フランシスカン帯のダイアブロ山地地域では高変成度のユニットが上下の低変成度のユニットの間に漸移帯を介して挟在し,アイソグラッドは地層面に平行な断層であり,その構造は高圧変成帯の上昇時に形成された2次的なもので本来の温度構造とは異なることを明らかにした。これについてはJournal of Geology誌に投稿中である。 リーチレイク山地域で採取済みの約300個の岩石試料の岩石薄片を製作した。砕屑岩類が約260個,緑色岩類が約40個,そのうち変形解析用の試料が約40個である。偏光顕微鏡による岩石薄片中の変成鉱物組み合わせによってヒスイ輝石帯(ヒスイ輝石+石英±曹長石)とヒスイ輝石が産出しない曹長石帯とに変成分帯を行った結果、高変成度のユニットが上下の低変成度のユニットの間に狭在する。ダイアブロ山地地域でみられた高変化成度のユニットと低変化成度のユニットの間の漸移帯の存在はみられなかった。アイソグラッドは地層面に平行な断層であることが明らかになった。高変成度のユニットの併置時の運動を明らかにするために,変形構造の解析を行った結果,高変成度のユニットが下位の低変成度のユニットの上に北東から併置したことが明らかになった。高変成度のユニットと上位の低変成度のユニットの境界部では明瞭な変形構造はみられなかった。その原因として境界断層沿いに蛇紋岩が貫入しているためではないかと考えることが出来る。 ヒスイ輝石帯内部の変成度の変化をより定量的に見積もるために,モードのヒスイ輝石/曹長石の比とヒスイ輝石の固溶体組成の変化とヒスイ輝石の固溶体組成を測定しているところである。また,変形の解析を行うことができなかった上部境界部でさらに定方位試料を採取し解析を行う予定である。
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