Project/Area Number |
06740411
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Petrology/Mineralogy/Science of ore deposit
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岩森 光 名古屋大学, 理学部, 助手 (80221795)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 沈み込み帯 / 火山 / マントル対流 / 熱源 / 熱流量 / プリューム |
Research Abstract |
何故冷たいプレートの沈み込む場所でマグマが生成されるかという問題については古くから様々な観点から制約が提出されてきた。過去の研究の結果、沈み込み帯の熱的構造に関しては(1)火山フロントから背弧にかけて比較的一様におよそ0.1W/m^2の高熱流量が観測されること、(2)火山は海溝に比較的近い所(数百km以内)に分布し、マグマはおよそ1300℃の温度条件で生成された可能性が高いこと、(3)(1)と(2)は背弧側からの比較的高温のマントル物質がコーナーフローとして沈み込み帯に供給されるというモデルで整合的に説明できること、などが明かとなった。しかし火成活動をもたらす背弧に存在する高温物質・熱流量の由来、つまりより広範囲におけるマントルの対流パターンと熱収支については未知の部分が多い。本研究では単純な上部マントルにおける2次元対流セルの定常状態から検討を始めた。対流セルが下部からの熱の供給を受けるときはhot-plumeが形成され地表には局所的な高熱流量地域が背弧側に生みだされる。スラブによる冷却によって対流セル内は温度が上昇しにくく、1300℃を再現するために底部に高温熱源や大きな熱の流入を過程すると背弧側に顕著なhot-plumeが形成されてしまい観測と合わない。一方、内部発熱が卓越する場合にはhot-plumeは生成されず上昇流は広い領域で緩やかに起こり、一様な熱流量が実現する。この場合にも熱源に関しては問題が残り、1300℃の高温をセルの内部に生みだすには通常のマントルよりも1〜2桁高い発熱量が要求される。1つの可能性としてスラブから放出されたU,Thがセルの中に停留し(i.e.高濃度)熱源となっているという過程が考えられる。このモデルの実現性は火山岩の組成と対流の計算から要求される発熱量とを突き合わせて現在検討中である。非定常状態やより大きなセルについても検討をおこないつつある。本研究によって、沈み込み帯の火成作用の熱源に関して何が問題なのか、またその問題を解くにはどのような研究が必要かが明かになりつつある。
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