Project/Area Number |
06740425
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
地球化学
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中塚 武 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 助手 (60242880)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 海洋表層 / 窒素同位体比 / 硝酸 / 沈降粒子 / 物理擾乱 / 生物生産 |
Research Abstract |
1)海洋表層において硝酸の窒素同位体比は、次の2つの効果(植物プランクトンによる硝酸取り込み時の窒素同位体分別と、異なる硝酸の同位体比を持つ水塊同士の混合)により変動するが、本研究では海洋表面の混合層と下層水の2層からなるボックスモデルを構築し、海洋表面の物理的擾乱(=混合層の深化により下層水との混合)とそれに対する生物的応答(=硝酸の植物プランクトンによる取り込み)が、硝酸の濃度とその同位体比にどういう影響を与えるかについて考察した。その結果、同じ硝酸濃度でも、それが物理的擾乱が起こった直後の値なのか、それに対する生物の応答が十分生じた結果なのかが、その同位体比から判別できることが、明らかとなった。 2)海洋表面における物理・生物環境の経時変動の情報は、沈降粒子という形で下方に伝達されると考えられる。本研究では、北西部北太平洋から得られた時系列沈降粒子試料の中から、有機物の窒素同位体比の変動情報を取り出し、それに1)の、表層における硝酸の同位体比の変動に関するモデルを応用して、表層の物理環境の変化、および、それに対する生物の応答の時系列解析を行った。その結果、当該海域の模式的表層環境変動が忠実に復元され、物理・生物環境に対する窒素同位体比情報の有用性が示された。 3)表層水中での硝酸の窒素同位体比測定の測定の労力を軽減するため、その分析手順の中で、従来の"NO_3^-→NH_4^+→N_2"過程に代わる窒素変換の経路を検討した。その中でスルファミン酸による"HSO_3NH_2+KNO_3+HCI→H_2SO_4+N_2O+KCI+H_2O"過程、及びぎ酸による"6HCOOH+2KNO_3→2HCOOK+N_2O+4CO_2+2H_2O"過程が有効である可能性が明らかとなった。
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