固体中における界面活性剤分子の芳香族分子に対する動的識別の機構
Project/Area Number |
06740437
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
関根 あき子 東京工業大学, 理学部, 助手 (40226650)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 界面活性剤 / X線結晶構造解析 / 複合体 |
Research Abstract |
種々の芳香族化合物を用いて界面活性剤分子との反応性を調べた結果、o-,m-,p-ヨードフェノール、ヒドロキノン、p-クレゾール、m-シアノフェノール、1-ナフトール、インドールでは、乳鉢の中ですり混ぜあわせるだけで、いずれも非常に高い反応性で界面活性剤分子と固溶体を経由して複合体を形成することに成功した。また、これらの結晶構造については、すり混ぜ合わせることによって作成した粉末のX線粉末回折データをとり、同じものを溶液から結晶化した単結晶のX線結晶構造解析の結果と比較したところ、同じ構造であることがわかった。これらの芳香族化合物の共通の特徴は、すべて水素結合ドナーとしての水酸基やアミノ基を持つことである。よって、この水素結合ドナーが固相において容易に複合体を形成するための非常に重要な原動力となっていると考えられる。しかしながら、意外なことに水素結合ドナーを持たないアントラセン、アクリジン、ナフトキノリンなどの芳香族化合物でも複合体を形成することがわかった。したがって、結晶構造から考え合わせると、アルキル鎖と芳香環平面による相互作用により複合体が形成していることが明らかである。これまで、この相互作用はファンデルワールス力と呼ばれ、消極的な弱い相互作用であると考えられてきたが、本研究により、芳香族結晶から分子をはがしてくるほど積極的で強い相互作用であることが初めて明らかとなった。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)