Project/Area Number |
06740439
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松本 充弘 名古屋大学, 工学部, 講師 (10229578)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 液体構造 / 分子動力学 / 熱伝導 / 水素結合 |
Research Abstract |
本研究は、蒸発・凝縮時における液体表面での分子の動的過程についてのこれまでの我々の研究により明らかになってきた単純液体と会合液体の凝縮機構の差異を、水素結合ネットワークを媒介としたエネルギー輸送のメカニズムから理解するために、バルク液体のミクロな構造緩和とエネルギー輸送・伝熱機構を解明することを目的として行われた。 主として、メタノールを会合性液体の典型例として分子シミュレーションと解析を行ったが、水素結合の果たす役割をよりはっきりさせるために、単純液体の例としてレナードジョーンズ液体(アルゴン)についても同様の観点からシミュレーションを行い、以下の知見を得た。 1.単純液体の場合は、10〜14個程度の最近接分子にほぼ均等にエネルギーを伝達するのに対し、会合性液体の場合は、主として水素結合ネットワークを伝わってエネルギー輸送が起きる。これは、近接分子間のエネルギー揺らぎの相関を計算することにより見出された。 2.単純液体・会合性液体共に、バルク液体中に比べて、液体表面でのエネルギー揺らぎが大きく、また、揺らぎの緩和時間も一桁程度長い。すなわち、局所的な「比熱」や「熱伝導率」はバルク液体中と液体表面では大きく異なっている。 以上の結果から、凝縮挙動における両液体の顕著な差異が少なくとも定性的に理解される。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)