Project/Area Number |
06740442
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
久保 厚 京都大学, 理学部, 助手 (20205115)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1994: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
|
Keywords | 重水素NMR / ガラス結晶 / 無秩序 / 重水素選択励起交換NMR法 / 結晶 / 多重パルスNMR法 / プロトン間磁気双極子相互作用 |
Research Abstract |
ガラス性結晶、CD_3C_6Cl_5について粉末試料及び単結晶試料の重水素NMRの実験を行い、分子運動及び結晶の静的構造の乱れについて研究した。この分子は室温では分子の擬6回軸まわりの6つの配向をとることが予想された。単結晶重水素NMR法では、室温で1対、220K以下で3対のダブレットが観測された。信号の積分強度の温度依存性から3つのサイト間のエネルギー差は0.8,0.7,および0.1kJmol^<-1>となった。また低温150〜200K以下で信号の相対強度は温度依存しなくなり、回転運動の凍結が起きていることが確認できた。また本研究で新たに試みた選択励起重水素交換NMR法、スペクトルのシュミレーション、T_1の角度依存性より、各サイト間の再配向運動の相関時間を精密に決定した。相関時間は低温においても分布がほとんどないこと、低温でみかけの活性化エネルギーが高温に比べて小さくなることがわかった。低温の実験のために175Lの液体窒素容器を購入した。また単結晶NMRの実験のためにゴニオメータを製作した。また重水素化試料は重水素化トルエンを購入し、京都大理の今城氏に合成して頂いた。これらの結果は第33回NMR討論会ならび95年化学会春季年会において発表した。 またネマチック液晶MBBAについて2次元プロトン多重パルスNMRの実験を行い、プロトン間磁気双極子相互作用の決定を試みた。Luckhurst、Emsleyらの加算ポテンシャルモデルを用いてデーターの再現を試みたが、ベンゼン環を含むコア部分については、実験の2次元プロトン多重パルスSLFNMRの結果をうまく再現できた。アルキル鎖の部分については一致がまた十分ではない。また2次元プロトン多重パルス交換NMRの交差ピーク強度の混合時間依存性については、ピークの強度の読み取り精度が悪いためか、シュミレーションはうまく実験結果を再現できなかった。データ処理のために光磁気ディスク等を購入した。
|