Project/Area Number |
06740453
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
橋本 健朗 東京都立大学, 教養部, 助教授 (40202254)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 非経験的分子軌道法 / ナトリウム原子 / ナトリウムイオン / 溶媒和 / クラスター / イオン化ポテンシャル / 電子脱離エネルギー |
Research Abstract |
非経験的分子軌道計算により、Na(H_2O)_n(n=1-6)、Na(NH_3)_n(n=1-6)の構造と分子振動数、赤外吸収及びラマン散乱スペクトルの計算、Na(H_2O)_n(n=1-6)、Na(NH_3)_n(n=1-6)とその正負イオンの構造、電子状態の系統的、理論的比較を行った。計算にはワークステーションクラスターを用いた並列処理などを応用した。その結果以下のことがわかった。(1)Na(N_2O)_n(n=1-6)はnの増加とともにNaが水クラスターの上にのる表面型構造とNaが水に内包される構造がエネルギー的に近接して存在するがNa(NH_3)_n(n=1-6)では内包型のみが安定に存在する。(2)正イオンではH_2OでもNH_3でも内包型構造が安定でnの変化に伴うエンタルピー変化は実験と良く一致する。(3)中性と正イオンでは溶媒分子間の水素結合と、Na-溶媒相互作用が安定構造を決める重要な要素だが、nが5以上で第二層を持つ構造ではNa-第一層分子-第二層分子間の三体相互作用も重要になる。(4)中性クラスターのイオン化ポテンシャルのn依存性は、構造を反映したHOMOの電子分布と関連づけて解釈できる。(5)負イオンでは水素をNaに向けて溶媒分子が結合する構造がnが小さいと安定だがnの増加により中性クラスターの安定構造に似た構造とのエネルギー差が非常に小さくなる、(6)計算による負イオンの垂直電子脱離エネルギーは実験と良く一致する。(7)溶媒がアンモニアの場合に見られる垂直電子脱離エネルギーを実験で観測したスペクトルの構造の解釈は、関連しそうな異性体を見つけることができたがさらに励起エネルギーなどを精密に計算する必要がある。
|