Project/Area Number |
06740459
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
沢辺 恭一 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (80235473)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1994: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 固体表面 / 光反応 / ダイナミクス / 吸着 / 脱離 / 解離 |
Research Abstract |
本年度は,主に以下の研究を行った. ・Pt(111)表面に共吸着したNOとO_2間の酸素交換反応 Pt(111)表面にN^<16>Oと^<18>O_2を低温(85K)で吸着させて昇温すると同位体酸素交換反応が進行し、N^<18>Oと^<16>O^<18>Oの脱離が観測された。この反応は反応前後での吸着分子の化学組成が変化しないので、吸着酸素の反応性を調べるには都合のよい反応である。昇温脱離スペクトル(TPD)を測定すると、155Kで^<16>O^<18>Oが分子状脱離するが、これ以前の145KでN^<18>Oの脱離が観測されることから、低温でO_2およびNOは解離過程を経ずに同位体交換反応が進行することがわかった。さらに、赤外反射分光によって、この共吸着系を調べると低温での交換反応は分子状酸素が反応に関与しており、高温での交換反応は周期構造をとっていない原子状吸着酸素が関与していることがわかった。 ・吸着メタンの紫外光による活性化 40KでCH_4をPt(111)表面に吸着させ、昇温脱離スペクトルを測定すると70Kですべて分子状脱離する。しかし、この表面に紫外光(λ=193nm)を照射すると、68Kと260Kに脱離ピークが見られた。これらのピークのうち、260Kの脱離ピークは表面に吸着しているCH_3とHの間の再結合によって生じたCH_4であることがわかった。すなわち、193nmの紫外光によってPt表面に吸着したCH_4のCH結合が活性化される。この事実は、気相のCH_4の光吸収がVUV領域であることを考えると、興味深い結果である。また、光脱離種に関して飛行時間分析を行ったところ、脱離成分の脱離角依存性は表面に垂直方向に鋭い分布であり、再結合脱離の脱離角依存性と類似していることがわかった。このことは、光照射中に再結合を起こしている可能性が示唆されるが、これに関しては現在も研究中である。
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