Project/Area Number |
06740507
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
高妻 孝光 茨城大学, 理学部, 助教授 (50215183)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 亜硝酸還元酵素 / シュウドアズリン / 電気化学 |
Research Abstract |
脱窒菌より分離した亜硝酸還元酵素の電気化学的挙動についてサイクリックボルタンメトリー法によって検討を行った。亜硝酸還元酵素は通常の金電極上ではその酸化還元に基づくボルタモグラムを示さなかったが、金電極を4,4-ビピリジンジスルフィドをプロモーターとして修飾した電極を用い、亜硝酸還元酵素の生理的電子供与体であるブルー銅蛋白質シュウドアズリンの銅イオンを除去したアポシュウドアズリン存在下で、亜硝酸還元酵素の活性中心である銅部位の酸化還元に基づく明瞭な電流-電位曲線を示すことが明かとなった。その結果、亜硝酸還元酵素は240mV(vs.NHE)に酸化還元電位を有することが明かとなり、アポシュウドアズリン存在下4,4-ビピリジンジスルフィド修飾金電極と静電的に相互作用することによって電極上での直接の電子移動が容易になることが示唆された。亜硝酸還元酵素の電極上で直接観測されるピーク電流値のアポシュウドアズリン濃度依存性を検討したところ、亜硝酸還元酵素とアポシュウドアズリンの濃度比が1のときに定常の値を示したことより、亜硝酸還元酵素のサブユニット1個あたりにアポシュウドアズリンが1つ結合した複合体を形成し、電極上で直接、電子の授受を行うことが明かとなった。基質である亜硝酸イオン存在下で亜硝酸還元酵素のボルタモグラムは、電極上で生成した還元型亜硝酸還元酵素による触媒電流を示し、その濃度依存性より亜硝酸還元酵素のK_m値は7×10^<-4>Mであった。一方、亜硝酸還元酵素の2個の銅イオンのうち非ブルー銅サイトを選択的に除去したT2D亜硝酸還元酵素は酸化還元電位を204mV(vs.NHE)に示し、そのK_m値は3×10^<-3>Mであった。このことは、非ブルー銅サイトの除去によりブルー銅サイトの構造が変化し、酸化還元電位が負へシフトし、酵素活性が低下したものと考えられる。今後、更にストップト・フロー法等によって亜硝酸還元酵素の電子移動反応機構および亜硝酸還元機構について検討を行う予定である。
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