Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Research Abstract |
本研究の目的は,錯体化学の立場からマンガンカタラーゼの活性中心の構造と反応機構を解明することにあり,特に今回は二核オキソマンガン(IV)中間体が活性種であるかどうかを検証することを目的としていた。まず第一に単核オキソマンガン(IV)中間体のカタラーゼ活性と溶液中での構造の関係について明らかにし,二核オキソマンガン(IV)中間体の重要性をするために,一連の単核マンガン(III)錯体を合成し,カタラーゼ類似活性を調べた。二核錯体に比べれば遥かに活性は小さいが単核錯体でも過酸化水素の不均化触媒能があることがわかった。このことから,先に報告した二核系での反応について,単核種が触媒するサイクルと二核種が触媒するサイクルが併発していることを裏付けた。また一連の単核マンガン(III)錯体の電気化学とカタラーゼ類似活性の関係を調べたところ,錯体が酸化されやすいほど,活性が大きいことを見いだした。このことは一般に信じられている低原子価機構ではなく,本研究において提案している高原子価機構を支持している。 その他の成果として,一連のマンガン二核錯体の過酸化水素との反応性を調べていくうちに,二つのマンガンイオンが等価な場合はカタラーゼ活性のみを示すが,二つのマンガンイオンが非等価な場合には何らかの副反応によって過酸化水素が消費されることがわかった。また,一連の錯体の中でカタラーゼ活性が異常に大きいものも見つかった。現在これらの錯体の活性が大きくなった理由を考察し,さらに高い活性を有するモデルを合成しようとしている。
|