Project/Area Number |
06740548
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物質変換
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
松本 一嗣 福井大学, 工学部, 助手 (90260215)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | エノールエステル / 不斉プロトン化 / 加水分解酵素 / 選択性発現ファクター |
Research Abstract |
本研究では、以前開発した酵母Pichia farinosa IAM 4682を用いるエノールエステルの酵素的面選択的加水分解反応、すなわち、不斉プロトン化反応の選択性発現機構の解明を目的とした基礎研究を行った。本酵素的不斉プロトン化は、選択性発現ファクターとでも言うべき補因子が必須な、従来全く例のない反応であることがわかっており、まず、本反応に関与する選択性発現ファクターの、酵母からの抽出を試みた。培養した菌体をリン酸緩衝液に懸濁した後、フレンチプレスで破砕し、遠心分離した上清画分に加水分解酵素を得、一方、更に超遠心した際の沈澱物として選択性発現ファクターを得たものをリン酸緩衝液に懸濁してファクター溶液とした。加水分解酵素は1-アセトキシ-2-ベンジルシクロヘキセンを加水分解するが、得られたケトンはラセミ体であった。この反応液に、ファクター溶液を加えるとケトンは光学活性体で得られることがわかり、ファクター溶液の量を増やすと、選択性が上昇することもわかった。この選択性発現は、200倍以上に精製した加水分解酵素を用いた場合でも生じただけではなく、市販のエステラーゼやリパーゼを用いた反応でも同様に見られた。又、あらかじめプロテアーゼ処理したファクター溶液を用いると選択性が著しく低下したことや、ファクター溶液が高温では失活してしまうことなどから、選択性発現に関与するファクターは、不溶性のタンパク様物質と推測された。今後は、まずこのファクターを可溶化し、単離・精製することが必要だと思われる。
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