単一細胞レベルでのmRNA分析によるヘルパーT細胞の機能解析
Project/Area Number |
06740571
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
遺伝
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
戸田 雅昭 理化学研究所, 真核生物研究室, 奨励研究生 (10202201)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ヘルパーT細胞 / 自己免疫病 / RT-PCR |
Research Abstract |
正常マウスの末梢T細胞からCD25(IL-2Rα)陽性CD4^-T細胞を除去すると様々な臓器特異的および全身性事故免疫病が誘導でき、またCD4^-CD25^-細胞を補えばその発症を阻止できた。この結果は、正常状態で末梢に存在する自己反応性CD4^-T細胞がCD25^-の非活性化状態にあり、活性化されれば自己免疫病のエフェクター細胞に分化すること、またその活性化はCD4^-CD25^-T細胞による負の制御を受けていることを示唆する。それぞれの細胞群の特性と細胞間相互作用の機序を解析するため、正常マウスの末梢CD4^-CD25^-細胞、CD4^-CD25^-細胞、及び病変局所のCD4^-T細胞について単一細胞レベルでのサイトカイン、サイトカインレセプター、及び他の細胞表面分子mRNAの発現を検索した。 フローサイトメーターによって単一細胞を調整し、界面活性剤を作用させてmRNAをランダムフライマ-を用いるRT-PCR法で不特定に増幅後、特異的なフライマ-によるPCRによって各遺伝子の発現を検索した。Th1、Th2を代表する各T細胞クローンに適用したところ、Th1クローンではIL-2とIFN-γが,Th2クローンではIL-4とIL-10が発現していることが確かめられ、この新しい方法が確実に機能することがわかった。次に、個体から精製したT細胞に適用し、13個のサイトカイン、10個のサイトカインレセプター、7個の細胞表面分子を検索した結果、正常BALB/cマウス末梢CD4^-CD25^-T細胞の特徴として、約半数が正常状態でIL-4、IL-10を産生しており、また大部分はCD44を発現していたが、CD45、L-selectinは発現していないことが明らかになった。また、一部はIL-2Rβを発現していることも確かめられた。CD4^-CD25^-細胞の一部はIL-2Rβを発現していることも確かめられた。CD4^-CD25細胞の一部はIL-2を産生していた。自己免疫病変局所CD4^-T細胞の多くはCD25^-でIL-2、IFN-γ等複数のサイトカインを産生していた。これらの結果から、CD25陽性細胞が特異的に発現するIL-4,IL-10等が、自己反応性T細胞の活性化を制御している可能性が示唆された。 様々なサイトカイン、サイトカインレセフタ-、細胞表面分子mRNAを単一細胞レベルで解析する方法を確立し、自己反応性T細胞の分化、活性化過程、またその制御機構の解析に応用した。このアプローチは他の細胞間相互作用の解析にも有用と考える。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)