Research Abstract |
本研究では、無限区間における補間、とくに後で述べる「Lagrange-Bessel補間」の数値積分への応用を、主に行い、最終的には、Bessel関数を含む振動積分の計算に成功した。 無限区間における補間(標本点a_1,a_2,…,a_k,…) (f(x)はa_1,a_2,…,a_k…を零点に持つ整関数)において、標本点をBessel関数J_n(x)(n=0,1,…)の零点に選んだものがLagrange-Bessel補間である。この補間公式をもとに、いわゆる補間形数値積分公式を得る要領で、「対称積分」∫^∞_<-∞>f(x)dx,「反対称積分」∫^∞_<-∞>sgnxf(x)dxに対する数値積分公式、すなわち、「Lagrange-Bessel積分則」を得た。そして、とくに反対称積分に対するLagrange-Bessel積分則は、DE公式などで用いられる、対称積分に対する台形則と、同程度の精度を達成することが、複素積分の理論を用いた誤差解析により分かった。 Lagrange-Bessel積分則の応用として、主にBessel積分則の応用として、主にBessel関数を含む振動積分∫^∞_0f(x)J_n(x)dxの数値計算の研究を行った。上の積分やFourier変換型積分∫^∞_0f(x)sin xdxのような振動積分は、従来の数値積分公式では計算が難しかったが、Fourier変換型積分にたいしては、大浦・森によるDE公式が得られている。この公式はBessel関数を含む振動積分の計算には使えないが、Lagrange-Bessel積分則と大浦・森のアイディアを組み合わせて、Bessel関数を含む振動積分に対するDE公式を考案、数値実験でも有効性が実証された。
|