Research Abstract |
光造形法は,感光性樹脂を紫外線レーザにより硬化させて立体模型を製作する成形方法である.簡単なプロセスで複雑な形状を成形できる反面,生産分野で要求する精度(10μm〜100μm)が実現されていないため,造形物の精度向上の実現が緊急の課題となっている. 光造形法で模型の精度を向上させるために,本研究は層別制御が可能なシステムを構成し,層別制御により実現された造形物の精度評価及びその造形条件について明らかにすることを目的としている. 本年度の研究実施により得られた結果は,以下のようにまとめられる. (1)層別制御が可能な光造形装置の構築 テーブル移動や照射タイミングが制御可能な制御システムを開発した.また、照射パターンの部分制御の可能なコントローラを開発し,これを制御システムに付加することで層別制御が可能な光造形実験システムを構築した. (2)層別制御により面精度を向上させる場合の造形条件の解明 層別制御により面精度を向上させるための造形プロセスを開発し,層厚さや模型表面の傾斜角に対する面精度への影響を粗さ計の測定により評価した.引き上げ照射プロセスにより,傾斜角30度以下で表面荒さが改善されることが確認された. (3)各層での領域別の照射条件変更による形状精度への効果の検討 模型の張り出し部分は,他の部分よりも歪みが大きくなり,その領域のみ照射条件を変えることで歪み低下および形状精度の向上が期待できる.照射パターンを層ごとに異なるように形状特徴を判別して照射経路を変更するソフトウェアを開発した.このソフトウェアにより照射パターンの差異による反りの評価を行い.そりの低減が認められ,開発したソフトウェアの効果が確認された.
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