Research Abstract |
近年,微小な機械に注目が集まっており,その加工技術の確立が要求されている.このような加工技術には,主に,半導体製造技術の応用が検討されているが,加工技術として体系化する試みは少ない.そこで,本研究では,半導体製造技術の1つである反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching,RIE)に注目し,微小な機械の加工技術としての確立を図った.すなわち,RIEの形状創成過程の解明のひとつとして,プラズマ分光分析による形状創成過程の観察を行った. RIEでは,気相中で,平行平板に電力を印加することで反応気体をプラズマ化し,プラズマ中のイオンやラジカルなどで,物理的・化学的に被加工材をエッチングする.プラズマでは,励起された原子や分子がもとのエネルギレベルに戻るときに放出するエネルギは,各々の物質に固有の波長の光となる.したがって,プラズマ中の原子・分子の種類とその量が同定できれば,RIEの形状創成過程が推定できるものと考えられる. そこで,本研究では,RIEにおける加工時の時間経過ならびにさまざまな加工条件のうち圧力のみを変えた場合の2つについて,プラズマの発光状態を分光分析によって測定し,RIEの形状創成過程を観察した. その結果,時間経過によって,マスクの消失や堆積物の発生が観測され,形状創成に影響を及ぼすことがわかった.また,創成される形状が圧力によって変化することは,圧力によってプラズマ中のイオン等の発生物質とその発生量が変化するためと考えられる.
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