凸最適化理論を用いた非線形H_∞最適制御に関する研究
Project/Area Number |
06750233
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Dynamics/Control
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井村 順一 京都大学, 工学部, 助手 (50252474)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 非線形システム / H_∞制御 / ハミルトン・ヤコヒ不等式 / 有界実条件 |
Research Abstract |
本年度は,まず非線形システムのH_∞制御の基礎として非線形システムに対する有界実条件をハミルトン・ヤコビ不等式の解の可解条件として導出した.線形システムの場合と比べて,ゲイン条件を厳密に満たすようにするために,ハミルトン・ヤコビ不等式の解とある関数の関係が陽に必要となる点が特徴的である.つぎにこの有界実条件を用いて状態フィードバックの場合のH_∞制御問題が可解であるための必要十分条件を導出した.従来研究では十分条件しか得られていなかったのに対して,本研究で初めて必要十分条件が得られた理由の一つは,上記の有界実条件の導出にある.さらに出力フィードバックの場合のH_∞制御問題が可解であるための必要条件を導出した.従来結果がシステムの安定性を考慮していなかったのに対し,本結果では安定性を考慮した点が大きな相違である.これにより本結果は線形システムの場合に得られている結果の自然な拡張となっている.しかしながら,得られた必要条件が十分であることまで示すことはできなかった.様々な解析の結果,非線形システムの場合には出力フィードバックの必要十分条件を得ることは難しいことがわかった.しかし,指数安定化の場合に限ると,上記で得られた出力フィードバックに関する必要条件は十分条件であることが示せた.さらに,以上の解析に基づいて,凸最適化理論の観点からハミルトン・ヤコビ不等式という偏微分方程式の解法の研究を行った.現段階では一般の場合において凸最適化問題に帰着する手法は見つかっていないが,ある特殊な場合において最小2乗法に基づく数値解法を提案し,その有効性を検討した.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)