Research Abstract |
本研究はパラメトリック電力変換器の実用化の上で必要な,異常発振領域(異常発振が生じる回路条件)推定法の開発を目的としたものである. ここでは研究計画にしたがい,以下の手順により研究を遂行した. 1.直交磁心形パラメトリック電力変換器,プッシュプルパラメトリック電力変換器を試作し,異常発振現象が生じる回路条件を実験的に求め,それらの異常発振領域を明確にした. 2.これに対し,先に我々が報告したパラメトリック電力変換器の回路方程式に基づく回路シミュレーションあるいは,汎用回路シミュレータSPICEを用いた手法等,いくつかの異常発振領域推定法を開発した. 3.2の手法に基づいて異常発振領域の算定を行い,1の結果と比較することにより異常発振領域推定法として,どの手法が最適であるかを検討した. 以上より,パラメトリック電力変換器の異常発振領域推定法としては,直交磁心の等価回路を用いた汎用回路シミュレータSPICEに基づいた手法が最適であることが明らかとなった. また,実験及び計算結果から,プッシュプル方式とすることにより,パラメトリック電力変換器の異常発振が減少し,発振安定度が改善されることもわかった. 今後は,このようなプッシュプル方式とすることによる改善効果のメカニズムについて検討するとともに,パラメトリック電力変換器の実用化を検討すべきである.
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