アモルファス磁性酸化物薄膜の強誘電的挙動に関する研究
Project/Area Number |
06750336
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
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Research Institution | Kitakyushu National College of Technology |
Principal Investigator |
加島 篤 北九州工業高等専門学校, 電気工学科 (70177377)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | アモルファス / 強磁性 / スパッタリング / 誘電特性 |
Research Abstract |
高周波反応性スパッタ法によって作製したFe_2O_3-Bi_2O_3-BaTiO_3系磁性酸化物薄膜の結晶構造,磁気特性及び誘電特性について調べた。これらBaTiO_3系やpbTiO_3系の磁性酸化物薄膜は、高温の大気中熱処理後を施されると膜中に強磁性アモルファス相を形成することが、X線回析や透過型電子線回析等によって明らかになっている。しかし、従来使用していたスパッタ装置では、スパッタガス(アルゴン,酸素)の混合比が精密に制御できないため、磁気特性や誘電特性など膜特性の再現性が低くかった。そこで今回は、マスフローコントロラ-を用いてスパッタガスの流量の変動を抑えて膜の再現性を向上させると共に、ガス混合比が変化が膜特性に与える影響を調べた。ここでスパッタ後の試料は、700℃に加熱した電気炉内に素早く挿入し、一定時間(180min)経過した後に大気中で急冷する急速熱処理を施した。スパッタ装置内に導入するアルゴン流量に対する酸素流量の比を0〜1.1まで変化させたところ、アルゴン流量の多い領域で最大4πMs=3.5kGに達する飽和磁化を示す膜が得られた。しかし、これらの試料のX線回析パターンでは、非磁性結晶相であるペロブスカイト(BiFeO_3-PbTiO_3固溶体)やBaTi_4O_9の回析線が観察された。酸素流量を増やし流量比を1に近づけていくと、これらの弱い回析線は完全に消滅し、X線アモルファスの状態になった。この時の磁化は約1.5kGであった。強磁性アモルファル状態の膜を作成する条件が明らかになったので、次に膜上部にアルミ電極を蒸着して薄膜コンデンサを形成し誘電特性を測定した。測定周波数によって誘電率や損失係数が大きく変化し、いわゆる誘電緩和が生じていることが分かった。今後は、D-Eヒステリシスループの観察や焦電性の確認などを行い、過去の実験で確かめられたこれら磁性酸化物薄膜の強誘電性がどういうメカニズムで発現しているのかを明らかにする必要がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)