Research Abstract |
本研究では,サービスエリア内の伝搬環境,トラヒック等の変動に応じて変調方式や伝送速度などの無線インタフェースを自律的かつインテリジェントに構成することができるユニバーサル変復調器の構成に関して研究を実施した.具体的研究項目として (1)受信信号から,変調方式,シンボルレート等の変調パラメータを推定する方式 (2)伝搬路状態の監視方式 (3)伝搬路に応じた送信信号の変調パラメータの最適制御方式 (4)受信機構成の簡略化方式 を研究項目に設定し,各々について方式検討,特性解析を行う一方,総合性能についても一部評価を行った.各研究項目に関する成果は以下の通りである. [項目(1)について] 受信波形そのものから変調パラメータを推定する方式と,伝送信号中に変調パラメータ情報を埋め込む2つの方式について検討した結果,伝送信号中に変調パラメータを埋め込む方式が適しており,かつ非常に高い精度で変調パラメータが推定可能であることを明らかにした. [項目(2)について] 伝送信号中に伝搬路特性測定用の特別な信号を挿入するインラインモニター方式を提案し,伝搬路変動を高速かつ高精度に推定可能であることを明らかにした. [項目(3)について] 伝搬路変動が推定された後,どのように変調パラメータを制御するのがよいかを理論的に検討し,最適制御法を確立した. [項目(4)について] 変調パラメータを変化させる場合に受信機で最も複雑になる場所は,システムクロックの設定,フレーム同期方式,及びフィルタの構成であることを明らかにし,それらの簡略化について検討し,構成の簡易なユニバーサル変調受信機構成を実現した. 以上の結果をふまえて総合性能についても一部評価を開始している.その結果,高品質で高速の伝送が移動通信環境で実現できることを明らかにした.
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