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¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
従来のH_∞フィルタのパラメータ表現はH_∞フィルタの特性に影響しない冗長性をもっていることがわかった.このため,実際のH_2/H_∞フィルタの設計にこのパラメータ表現を用いても,H_2推定性能とH_∞フィルタの自由パラメータとの関係が明確にならない.そこで,H_∞フィルタのもつ本質的な自由度を一つの自由パラメータ(伝達関数)に集約したパラメータ表現を導出した.新しい自由パラメータを定数行列に限定した場合に対し,それがH_2推定性能に関して最適であるための必要条件と(局所)最適値を得る数値的反復アルゴリズムをLagrange乗数法と勾配法に基づいて与えた.さらに,離散時間代数Riccati方程式の性質を解析することにより,自由パラメータのとりうる値の範囲が設計パラメータの変化に対してどのように変化するかを調べた.これによりH_2/H_∞最適化手法が有効である設計パラメータの値の範囲を見積もることができる.最後に,これらの理論的結果を計算機上の数値計算によって確認した.なお,これらの研究成果は,1994年11月30日にDSTシンポジウム(千葉,計測自動制御学会)において口頭発表した. 残された課題は,自由パラメータがダイナミクスをもつときのH_2最適化アルゴリズムを提案することである.このとき,自由パラメータの状態空間実現が満たすべき条件はRiccati方程式または線形行列不等式で表わすことができるので,定数行列の場合とほぼ同様の手法により最適化アルゴリズムを得ることができると予想される.
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