Project/Area Number |
06750558
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
交通工学・国土計画
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大野 栄治 筑波大学, 社会工学系, 講師 (50175246)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ディーゼル車 / 大気汚染問題 / NOx問題 / 軽油税 / 産業連関分析 / 価格均衡分析 / 物価変動 |
Research Abstract |
ディーゼル車抑制策(NOx対策)としての軽油税引き上げ策は、高いNOx削減効果をもたらすことが期待されるが、一方で特に運輸部門の収支に影響を及ぼし、輸送運賃の上昇、さらには物価の上昇をもたらすことが予想される。本研究では、産業連関表による価格均衡分析手法に基づいて物価変動予測モデルを構築し、自動車燃料価格操作による社会経済への影響(物価変動)を予測することにより、軽油税引き上げ策が実行に値するか否かを検討した。なお、軽油税引き上げ策の影響を直接受ける産業部門としては貨物輸送部門(道路貨物輸送部門と自家用貨物自動車輸送部門)と旅客輸送部門(道路旅客輸送部門と自家用旅客自動車輸送部門)が考えられるが、資料不備による価格均衡分析の困難さという理由で、旅客輸送部門を分析対象から外した。このときの不足資料(産業連関表の付帯表としての旅客輸送部門の運賃表)の作成方法が今後の課題として残される。 物価変動予測モデルによる分析の結果、軽油価格をガソリン価格の120%に引き上げた場合でも、物価上昇率が1%を越えた部門は82部門中5部門のみであることがわかった。また、物価上昇率上位20部門の傾向として、商業・鉱業系では生産段階での輸送費よりも生産物の輸送費の方が価格上昇に大きな影響を与え、逆に加工業・土木建設業系では生産段階での輸送費の方が大きな影響を与えることがわかった。さらに、全体の平均物価上昇率は0.3〜0.4%であることがわかり、これより当該政策の社会経済への影響は消費税3%の影響よりも小さく、ほとんど無視できるものといえる。 一方、軽油税引き上げ策によって軽油引取税(地方税)や揮発油税(国税)の増収が見込まれるが、現行の道路特定財源制度によると、その全額が道路建設に充当されることになる。今後、このような新規財源の使い道についても検討する必要がある。
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