Project/Area Number |
06750588
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Civil and environmental engineering
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉川 耕司 京都大学, 工学部, 助手 (80220599)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1994: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | CG / 合意形成 / 都市整備事業 / 権利者 |
Research Abstract |
本研究では、都市整備事業にかかわる権利者を、CGを用いるグループと、パースや平面図といった従来手法を適用するグループとに分けたうえで、実際の計画における権利者説明過程を踏襲した形で、合意形成実験を行い、主に権利者の発言内容の心理学的分析から、計画案に対する情報の受容度の違いや動因の変化を調べ、CGの合意形成に与える影響を調べることが主な目的であった。また、パースとの比較実験を行い、情報の理解度や計画案に対する選好の鋭敏性などを調べ、CGの特性の分離を試みた。研究によって得られた知見を以下に示す。 まず、CGの特性を分析する実験では、CGを計画案呈示に利用すると、代替案の選好に対する鋭敏性や疑似体験性が高くなり、住民意向の明確化につながることからスムーズな計画決定が行える可能性が明らかになった。一方、平面図は数的要素の記憶度が高く、CGやパースでは材質や種類の記憶度が高かった。これより、住民に認知を促すべき項目によって有効な媒体は異なることも明らかになった。 次に、実際の権利者説明過程に即した合意形成実験では、行動目録法の1つである「カテゴリシステム」を用いて、権利者の全発言について機能と内容の分類を行った。その結果、CGを呈示した群の方が、賛成・反対の双方とも意志表示者が増えることが観察された。これは、最終的な合意形成が賛否いずれになるにせよ、議論の段階が一段進展していることを示す。また、発言内容についても、CG呈示後はより具体的な内容に進んでおり、話題の方向性が統一されていることも観察された。 以上より、媒体により伝え得る情報の質や種類はそれぞれ異なるため、伝えたい情報に応じての媒体の使い分けが大切だが、中でもCGは他の媒体より優れた部分も多く今後の積極的な活用が望まれる。
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