Project/Area Number |
06750622
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Architectural environment/equipment
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堀之内 吉成 京都大学, 工学部, 助手 (20199558)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 膜構造 / 膜材料 / 吸音率 / 吸音特性 / 残響吸音率 / 二重膜 |
Research Abstract |
近年、各種競技場、イベント会場、あるいはオフィスビルにおけるアトリウムなど、大空間を持つ建築物の屋根に膜構造をもつ建物が数多く建設されている。本研究では膜材料の残響吸音率の測定法を検討し、また実際に測定を行った。 実際の膜構造建築を考えたとき、ほとんどの場合は膜の外部空間は自由空間と考えられる。即ち、膜を透過した音は、再び膜を透過して建築内の空間に戻ってくることはないと考えられる。このように考えた場合、膜材料の吸音特性を従来の残響室法吸音率試験で評価するのは適当でない。膜材料を残響室の壁、あるいは床から、相当の距離を置いて設置しても、膜材の背後の空気層の影響は無視できないであろう。そこで、本研究で用いた方法は、残響室と無響室の間の開口部分に膜材を取り付け、残響室側で残響時間を測定し、その結果から吸音率を逆算するというものである。その結果以下のような知見が得られた。 1.外膜に内膜を取り付けて2重膜とした場合、250Hz以上の周波数帯域で、吸音率が大幅に増加した。2重膜の吸音率は内膜の影響が大きいといえる。 2.膜材にかかる張力を変えた場合の残響吸音率の変化はほとんどない。 3.中間押さえの影響は63Hzを除いてはほとんど無い。中間押さえは膜の中央を鉄製アングルで両側から挟み、膜が2分割されるようにしたものである。したがって、膜の面積が同じであれば、複数に分割してもその吸音効果は変わらないと考えられる。 また、膜構造の屋根を持つ既存の建物の残響時間を測定し、膜材の吸音率を逆算した。その結果、500Hzより高い周波数帯域ではほとんど吸音しないことが明らかになった。
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