Project/Area Number |
06750626
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Architectural environment/equipment
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
岩下 剛 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (90253905)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 居住前換気 / 新築建物 / 非定常時の知覚空気質 / ベイクアウト / パネル |
Research Abstract |
従来の知覚空気質に関する研究では、定常状態のみを扱ってきた。建材からの空気汚染物質の発生強度は設置後しばらく経てば、一定にはなるが、新築時には、揮発性の臭気レベルがかなり高く、入居者に不快感を生じさせる。よって、本研究では第一フェイズとして、東京の18箇所のオフィス(そのうち9箇所が新築オフィス)にて空気環境実測を行い、問題点の確認を行うこととした。実測は、揮発性有機化合物(TVOC)濃度測定、SF_6濃度減衰測定による換気回数測定、空気質判定者(パネル)による知覚空気質申告からなる。パネルは、対象オフィスに入室してすぐの臭気強度、許容度、新鮮度を申告した。その結果、新築オフィスにおける知覚空気質は非新築オフィスにおけるものよりも劣悪であることがわかった。この知覚空気質の値及び測定した換気量から、単位面積当たりの臭気発生量を求めたところ、やはり、新築オフィスにおける発生量は、非新築オフィスよりも多かった。また、単位面積当りのTVOC発生量も、新築オフィスの方が多量であった。以上のように建材等から放たれる臭気の発生量は設置時(新築時)に多量であることが確認されたが、このような非定常時における知覚空気汚染度の挙動をモデル化したものはない。竣工後、入居時まで換気量を増し、揮発性物質の揮発を促進して入居時の空気質を良好にするという居住前換気の量・期間を設定するためには、そのモデル化が必要なため、第二フェイズとして、実験室における非定常実験を行った。実験箱の空気温度、ロ-ディングファクター(供試材面積と室容積の比)を変え、また、供試材としてリノリウム、カーペット、コルクボードを用い、実験箱の空気質を訓練パネルに申告させた。供試材設置後の知覚空気質の経時変化から、物質移動モデルに基づいて非定常状態における知覚空気汚染のモデル式を算出した結果、コルクボードは空気温度を上げる(ベイクアウト)ことによって、発生量が早く減衰することがわかった。また、許容レベルの空気質に到達させるのに必要な換気量とその期間を算定した。
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