Project/Area Number |
06750663
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Architectural history/design
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
橋寺 知子 関西大学, 工学部, 助手 (70257905)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 明治期 / 西洋建築 / 翻訳文献 / 訳語 / 様式 |
Research Abstract |
幕末の開国以来,西洋建築の学習は多角的に進められたが,西洋から取り入れられた書物や文献などの書誌も重要な役割を果たしていた。本研究は,当時,西洋からどのような建築に関連する書物や文献が採り入れられたのか,またをれらの扱われ方や日本に及ぼした影響を調べ,明治期の西洋建築の移入の様子を明らかにしていくことを目的とし,今年度は次のような研究を行った。当時の西洋建築の重要な概念の一つにstyle(様式)の概念があるが,その概念の日本での受容の様子を,当時の書物や文献でstyleに当てられた訳語に注目し,明らかにした。明治末には今日とほぼ同様に「様式」という訳語に定まっているが,明治中期には様々な訳語が当てられており,当時の人々が西洋の新しい概念を精確に捉えようとしていた様子がうかがえた。次に,明治期のどのような書物や文献がわが国へもたらされていたのかについてできる限り全体的な目録を作成するため,今年度は明治期に官庁等の政府機関が所蔵していた書誌が多く所蔵されている国立国会図書館と国立公文書館を訪ね,明治期の建築や芸術に関連する書物をできる限り閲覧し,目録の作成を進めた。また,明治期を通じて学術雑誌や専門誌には,西洋の建築や芸術の動向に関して多くの西洋の書物や文献が紹介,翻訳されていた。このことに注目し,今年度は建築学会の学会誌『建築雑誌』(明治20年創刊)の誌上に掲載された翻訳記事を収集し,現在その分析を行っている。雑誌上に紹介される翻訳記事は,雑誌の編集者や訳者らによって意識的に選択されたものであり,その当時の日本の建築界が抱えていた課題や建築家達の関心の所在が記事の内容に表れると考えられる。これによって明治期の西洋建築移入期における西洋建築への関心事の特徴とその変遷を明らかにしていく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)