Project/Area Number |
06750683
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic materials/Physical properties
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
粕壁 善隆 東北大学, 工学部, 助手 (30194749)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 金属超格子 / エピタキシ- / 界面 / 格子整合 / 拡散 |
Research Abstract |
絶縁体下地であるNaCl下地上でのTi-Pd系金属超格子の初期成長過程を観察・評価し、これらのエピタキシャル配向関係、界面の整合状態などに関する知見を得た。まず、250℃のNaCl上でのTi-Pd系金属超格子のエピタキシャル配向関係について述べる。 Pd/Ti膜(NaCl上にTiを成長させ、そのTi上にPdを成長)の場合、 Pd(001)//Ti(0335)//NaCl、Pd<110>//Ti<2110>//NaCl<110> Ti/Pd膜(NaCl上にPdを成長させ、そのPd上にTiを成長)の場合、 Ti(0001)//Pd(001)//NaCl、Ti<2110>//Pd<110>//NaCl<110> であることが解った。いずれの場合もTi-Pd界面における非晶質層の形成を示す明確なデータは得られなかった。これらの配向性の相違は蒸着初期の界面におけるTi及びPd原子の拡散挙動の相違、界面の格子整合状態の相違などから生じていると考えられる。Pd/Ti膜の場合、蒸着のごく初期過程(Pdの膜厚が2nm程度)で、もうすでに六万晶系(hcp)Tiの上に面心立方(fcc)構造の結晶が成長していた。Pdの膜厚が5nm程度になるとfcc格子の格子定数(0.389nm)はバルクのPdのそれとほぼ一致していた。これらの事から、Ti上にPdが成長する際には、拡散があるとしても非常に僅かで、比較的明確な界面ができていると考えられる。このとき、hcp構造の八面体サイトを作る正方形の(0334)面の4回対称性を受け継いでPdの(001)面が核形成・成長すると、上述の配向関係が得られる。Ti/Pd膜の場合、PdリッチなPd-Ti合金相の形成を考慮して界面状態を考慮しなければならないことが解った。
|