Project/Area Number |
06750706
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Composite materials/Physical properties
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉田 冬樹 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (30243968)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1994: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 高温変形 / 分散強化 / しきい応力 / 整合界面 |
Research Abstract |
母相と粒子の界面構造が整合である場合、高温での転位の粒子通過機構すなわちしきい応力の発現機構は、転位が粒子間を張り出して通過するオロ-ワン機構と転位が粒子を上昇運動によって乗り越えていく上昇機構が考えられる。しかし、整合分散粒子を有する分散強化合金について得られている実験結果は様々であり発現機構との統一的な見解は得られていない。そこで、本研究では、整合分散粒子を有する分散強化合金の高温における転位の粒子通過機構を明らかにするために、Al-Mg-Sc合金について界面構造の電子顕微鏡観察、応力緩和試験および応力瞬間負荷試験を行った。得られた結果を以下に述べる。 1.母相と粒子の界面構造 電子顕微鏡を用い組織および界面の高分解能観察を行った結果、分散粒子は、L1_2型の結晶構造を有するAl_3Scで、界面構造は、母相と分散粒子の界面での格子のマッチングが良好であったことから、整合界面であることが明らかになった。 2.内部応力によるしきい応力発現機構の判別 応力緩和験を行い菊池の方法によって評価した内部応力は、分散粒子の大きさの分布を考慮した分散パラメータを用い計算より求めたオロ-ワン応力と大きく異なりかなり小さな値となった。得られた結果は、転位の粒子通過機構が転位が分散粒子を上昇運動によって通過する上昇機構に起因するものではなく、粒界すべりの影響によるものであった。 3.応力瞬間負荷試験によるしきい応力発現機構の解明 2.で述べたように変形に対する粒界すべりの寄与が大きい場合には、しきい応力発現機構の判別は困難である。そこで、粒界すべりの影響をほとんど受けずにしきい応力を測定できる応力瞬間負荷試験を用いてしきい応力の測定を行った。その結果、得られたしきい応力は、分散パラメータを用い計算より求めたオロ-ワン応力に近い値となった。したがって、整合分散粒子Al_3Scを有するAl-Mg-Sc合金のしきい応力の発現機構は、上昇機構ではなく、オロ-ワン機構であると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)