Project/Area Number |
06750713
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Structural/Functional materials
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
榎 浩利 東北大学, 工学部, 助手 (90160374)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1994: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 圧電セラミックス / 金属電極材料 / 界面反応 / ペロブスカイト構造 / 微細組織 |
Research Abstract |
近年、圧電素子を用いた超精密アクチュエータの研究・開発が盛んである。特に長時間連続運転を行うアクチュエータの開発が行われるにつれ、これらに用いられる圧電セラミックスの特性劣化が問題視されている。そこで本研究は圧電セラミックスと金属電極間の化学的・物理的反応現象の有無を確認することを目的とした。 試料にはハード用とソフト用の2種類のPb(Ti,Sr)O_3を用意し、これらに電極としてAgを真空蒸着した物を用いた。まず、超高圧透過電子顕微鏡を用いて圧電セラミックス内部の詳細な微細組織観察を行った結果、以下のような結果が得られた。 1.結晶粒内には、分極によるドメインが多数観察された。このドメインは長時間電子線を照射していると、消えることがある。 2.ドメイン内部の高分解能観察を行ったところ、規則格子反射を持つコメンシュレート相と規則格子反射を持たないインコメンシュレート相とが交互に点在していることが観察できた。現在、この構造が誘電特性にどのような影響があるか検討中である。 これらの結果を基に圧電セラミックス/金属界面の縦断面観察を行った結果、 3.圧電セラミックス/金属界面には、界面反応が生じた形跡は観察されなかった。また、透過電子顕微鏡付属のEDXにより組成分析を行った結果、圧電セラミックス中へのAgの拡散、あるいは電極材であるAg中へのPb,Ti,Srなどの拡散も確認されなかった。 以上の結果より、圧電セラミックスの特性劣化は、今回の実験では分析できなかった酸素原子の移動によることが考えられる。 以上、本研究は圧電セラミックス/金属界面反応を考察する上で、基礎的な知見を得ることが出来た。
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