高耐食アルミニウム基アモルファス合金の創製とその特性
Project/Area Number |
06750731
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Material processing/treatments
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
秋山 英二 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (70231834)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | アモルファス合金 / アルミニウム合金 / スパッター法 / 耐食性 / 腐食 / 塩酸 |
Research Abstract |
当研究室では、スパッター法により作製したアルミニウム-クロムの合金はクロム濃度の増加に伴って腐食速度が低下するが、アルミニウムが優先酸化により皮膜に濃縮するために、クロムの含量が56at%より少ない場合には合金の自然電位はクロムの活性態に位置することを以前報告している。本年度の研究では、これを改善するためにチタンを添加した3元のアモルファスアルミニウム-クロム-チタン合金をスパッター法を用いて作製し、その1M塩酸中での腐食挙動を検討した。 スパッター法で作製したアルミニウム-クロム-チタン合金は広い組成範囲でアモルファス単相合金となった。アルミニウム-クロム合金に10at%以上のチタンを添加した合金の場合、腐食速度はアルミニウム-クロム合金に比べて約1桁低くチタンの添加が耐食性の改善に効果的であることを明らかにした。これらの合金の自然浸漬電位は時間とともに急激に上昇し、クロムの不働態域に至る。このことは、合金の腐食速度が低いという結果とよく一致している。また、光電子分光法によって表面組成の解析を行ったところ、アルミニウムが濃縮した初期の大気酸化被膜に比較して、電位の上昇に対応して皮膜中のクロムの濃度が上昇する事が観察された。アルミニウム-クロム二元合金の場合には、皮膜中にアルミニウムが濃縮するが、チタンを添加した耐食性に優れた合金の表面皮膜中にはアルミニウムの濃縮が抑制されており、これに伴って、皮膜中のクロムの濃度は合金中の濃度、あるいはそれ以上となっていた。クロム-チタン合金の濃塩酸中の分極測定により、チタンはクロムの活性態での溶解を抑制することが明らかとなっているが、このことから、アルミニウム-クロム-チタン合金の場合にもチタンがクロムの活性態での溶解を抑制し、自然電位の上昇を促すことが、耐食性の向上の原因と考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)