応力腐食割れのin-situ観察に基づく破壊力学的・統計的解析
Project/Area Number |
06750740
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Material processing/treatments
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
春名 匠 大阪大学, 工学部, 助手 (70243186)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 応力腐食割れ / 低ひずみ速度試験 / CCDカメラ / TYPE304鋼 / き裂発生時のひずみ / K_<ISCC> / き裂進展速度 |
Research Abstract |
研究代表者を含むグループは最近、応力腐食割れ(SCC)試験のひとつである低ひずみ速度試験(SSRT)法に、高倍率でありながら長焦点距離・長被写界深度を有するCCDカメラシステムを組み合わせることにより、SSRT中に試料表面に発生・進展する多数個のき裂の挙動をIn-situ1に精度よく観察・記録する手法を開発した。この手法を用いることにより、SCC感受性を従来のSSRTによる評価因子であった最大応力や破断伸びなどの材料の機械的性質だけでなく、き裂の発生・進展に関する因子(き裂発生時間やき裂進展速度など)を区別して評価することができ、注目する系のSCC挙動をより詳細に検討することができる。本研究では近年、新しい標準SCC試験溶液として注目されている塩化カルシウム水溶液中におけるType304鋼の応力腐食割れに本手法を適用することにより、SSRT中におけるき裂の挙動に対する塩化物濃度の影響を検討した。ガラス電極で観測しながらpHを7に調整した373Kの10〜50mass%CaCl_2中では、Type304鋼の最大応力もしくは破断伸びは濃度の増加とともに減少した。き裂挙動を詳細に解析して結果、き裂の発生したときのひずみは濃度の増加とともに減少したが、K_<ISCC>の最低値は濃度に依存しないことが明らかになった。一方、き裂進展速度は30mass%以上の濃度域ではほぼ一定値を示した。以上の結果を総括すると、CaCl_2中におけるType304鋼の応力腐食割れによる機械的性質の劣化のCaCl_2濃度り依存性は、き裂の進展に関する因子に比べて、き裂の発生したときのひずみなどのき裂の発生に関する因子によって決定されていることが明らかになり、本系のSCCを防ぐためにはSCCの発生を抑制するための手段を考えることが良策であることが示唆された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)