Project/Area Number |
06750751
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Metal making engineering
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
斉藤 秀俊 長岡技術科学大学, 工学部, 講師 (80250984)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 窒化ホウ素 / プラズマCVD / 硬質膜 / ヌープ硬さ / ラマン分光法 / オージェ電子分光法 |
Research Abstract |
化学蒸着装置内で基板に対してイオン照射を行ない、樹枝状に集合した六方晶窒化ホウ素(h-BN)と膜状のアモルファスBNを得た。目的とした立方晶窒化ホウ素は得られなかったが、400℃程度の比較的低い基板温度でh-BN結晶が得られたこと、アモルファスBN膜はバルクのc-BNより硬く、さらにSi基板に強固に密着しているといった新しい知見を得た。早速、工具メーカーより研究協力の打診を得た。 得られた試料がBNであることはオ-ジエ電子分光法、X線光電子分光法および赤外線吸収分光法で確認した。樹枝状に集合したh-BNは、比較的結晶性がいいことからE_<1u>格子振動に対する明確なラマン散乱ピークを示し、透過型電子顕微鏡法の結果から数十nm程度の微細結晶であることがわかった。一方、アモルファスBNは3μm程度の膜厚を有し、ラマン散乱を示さず、高分解能観察でも全く対称性のない構造をもつことが確認された。基板温度を300℃-600℃まで変化させると、低温ではh-BNが優先的に成長し、高温ではアモルファスBNが優先的に成長することがわかった。 膜厚3μmのアモルファスBNのヌープ硬さは60GPa-80GPaに達した。これは同じ条件で測定したバルクc-BNの54GPaやダイヤモンド様炭素(DLC)膜の35-40GPaを越える。さらに、半径0.2mmのダイヤモンドコーンを備えた微小スクラッチ試験機でひっかき試験をしたところ、20Nの荷重でも膜が全く破壊されないことが明かとなった。これ以上の荷重をかけるとSi基板が破壊されるし、同じ試験機でDLC膜を試験すると17N程度で破壊する。この結果は、ハードコーティングに実用化されているDLC膜より、得られたBN膜の方が応用範囲の広がる可能性を示唆しており、興味をもった工具メーカーより研究協力の打診があった。本研究成果は第42回春季応用物理学関連連合講演会で速報される。
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