疎水性指標による水性2相系におけるアミノ酸・ペプチドの分配係数の推定
Project/Area Number |
06750775
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
化学工学一般
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古屋 武 九州大学, 工学部, 助手 (10219131)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 水性2相分配法 / デキストラン / ポリエチレングリコール / 加水分解酵素 / 液液平衡 / 分配係数 / 修正Flory-Huggins式 / 疎水性 |
Research Abstract |
バイオテクノロジーにおける分離・精製法として水性二相分配法が注目されている。水性二相分配法による分離プロセスを設計する際には、水性二相分配系液液平衡と分離目的物質の分配係数は基礎データとして非常に重要となる。そこで、デキストラン(DEX T500,Mn=170300,Mw/Mn=2.95)とポリエチレングリコール(PEG20000,Mn=17100,Mw/Mn=1.16)からなる水性二相分配系液液平衡を測定した。その際、ポリマー系の液液平衡で重要となる、相分離後の上下両相のポリマー分子量分布についても測定した。測定温度は20℃で、ポリマー組成と分子量分布の測定にはサイズ排除クロマトグラフィーを用いた。分子量分布の測定結果から、分子量分布の広いDEX T500は上下両相でポリマーの分別が生じていることが確認された。また、代表的な加水分解酵素である、α-アミラーゼ、β-アミラーゼおよびグルコアミラーゼの分配係数を20℃で上述の水性二相分配系において測定した。分配係数は同類のアミラーゼであっても各酵素ごとに異なることが示された。さらに相互作用パラメータにポリマー分子量依存性を、相互作用項にはランダム混合からの偏倚を考慮するパラメータをそれぞれ経験的に導入した、修正Flory-Huggins式を用いて測定データの相関を行った。DEXの分子量分布を分布関数を用いて近似し、連続熱力学の手法を用いて相平衡計算を行った。相互作用パラメータを最適化することにより、水性二相分配系液液平衡と加水分解酵素の分配係数を良好に相関できた。 疎水クロマトグラフィー(HIC)により、アミノ酸・タンパク質の表面疎水性の測定を試みた。TSKgel Butyl-NPRカラムを使用し、まず分配係数を測定した3種類の加水分解酵素の測定を行った。塩濃度などの溶出条件を調整することにより3種類の酵素の溶出時間に差が見られ、クロマトグラフィーの溶出時間によって表面疎水性を評価できる可能性が示された。今後、測定条件の詳細な検討や、相互作用パラメータとの関係を検討する必要があると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)